「凛夏」


未亜が、立ち止まる。


あたしの言葉を遮ったまま、あたしを見つめて。


「惑わすこと言うかもしれないけど…凛夏それ、結構逢坂くんのこと好きだと思うよ?」


え。


あたしが逢坂のことを…――?


「ええええっ?!な、何それ無いよっ!!」


あたしは何故か慌ててしまって、顔の横で手を左右に振った。


うん、あるはずない。


あたしが好きなのは駿、駿だけ。