「あ…そうなんだ、逢坂、東条のこと好きなんだ」 楠森は慌てたようにして、無理に笑う。 ――あ。 そういうこと、か。 いつも特になにも考えていない俺でも、それはしっかりと伝わって。 俺は楠森の表情と言葉でそれを悟ると、そっと離れて屋上のフェンスにもたれかかった。 「お前も、好きなのか」 「え…っいや、その…」 その俺の言葉に、ますます慌てる楠森。 隠したいと思っているのだろうけど、それはバレバレで全く意味がなかった。