あたしは積もったばかりの雪を、靴の先ですくうようにして歩く。 靴の先に乗った少しの雪にはじわじわ体温が伝わり、少しすると靴の上でゆっくりと溶けて液体となった。 あたしの想いもこうやってじわじわと伝わって、いつか駿の心を溶かすことができればいいのに。 「…恥ずかしっ!」 心の中でそんなことを思ってしまった自分が急に恥ずかしくなって、あたしは何も考えずに足早に歩き出した。 「りーんかっ!」 不意に、あたしの背後から声がかけられた。