「風邪ひきそうだね」 あたしはその缶を目の高さまで持ってくると、何故か缶と向かい合う。 “Hot”って書いてあるのにものすごく冷たいレモンティーが面白くて、あたしは自然に笑みをこぼす。 そこであたしは、ハッと我に返ったように瞬きした。 なんで、今。 なんで今あたし、笑顔だった――? 「そんな言うなら飲むなよ、俺飲むし」 「あ」 あたしの顔にこぼれた笑顔と、あたしの脳内を一瞬よぎった思考は、逢坂の言葉と共に走り去っていった。