「レモンティー」 あたしはその声に思わず振り返る。 忘れていた、その存在。 もう、いらないけど。 駿にあげることもできないし、あたしが飲む気にもなれないから。 「せっかく買ったのにもったいねぇな」 それだけ言って。 逢坂はそっと、床に落ちていたレモンティーを拾い上げた。