「知りません。あなたが何故あたしにそのようなことを誘っているのかなんて全く知りません」 あたしは逢坂をまっすぐ見据えて、自信満々に口を開く。 逢坂はそんなあたしの話を何も言わず聞いている。 そのまま、あたしは話を続けた。 「そしてあなたは興味本位で、暇つぶしでそうやっていろんな女の子に声をかけているのかもしれませんが、」 パッ。 振り払おうとして入れた何度目かの力ですぐにその手は離れて、あたしは少し驚いた。 離れないものだと思っていたその手が、あっさり離れたから。