ヤキモチからはじまる



「かしこまりました。」

杉浦さんらしい優しい声が耳に届く。

そう言いながらお辞儀をした後、私の肩を優しくつつき、

私の耳元まで顔を寄せて言った。


「このあと時間ある?話したいことあるから向かいのコンビニで待ってて欲しいんだけど。」

「………!?」

びっくりして声がでそうになる。

というか抑えめではあったものの、声を出してしまった。

内緒話をしている体制だからか声を出したらいけないんじゃないかと無意識に思った。

亜美ちゃんと幸希には聞こえるか聞こえない程度の声で話す杉浦さん。


「はい。空いてます!!待ってます!!」

そう伝えるために首を上下に大きく降って頷く素振りを見せる。

親密と言うにはほど遠い杉浦さんから誘ってもらえて嬉しかった。


「じゃあ7時に休憩入るから待ってて」

再び内緒話。

耳に近いところで杉浦さんの声がしてとても不思議な感覚。

息遣いまで分かってしまいそうで変にドキドキした…。