「でも彼のこと好きなんだろ?」
より一層顔を耳に近づけてくる。
杉浦さんの唇が耳に当たってしまいそう…。
「え!?ち…!!違います!!私が好きなのは杉浦さんです!!!」
「…え??」
今までの怒りの色は消えていつもの杉浦さんの声色に戻っていた。
「あの…えっと。
だからその…杉浦聡さんのことが好きです…。」
「本当に??俺のことが??あの男の子じゃなくって?」
信じられないとでも言うように間抜けな声を出す杉浦さん。
「なんでそこに幸希がでてくるんですか!!」
「だって楽しそうに話してたし仲良さそうだったし…」
段々声のボリュームを下げていく杉浦さん。
「………杉浦さんもしかして妬いてくれたんですか??」
「そうだよ。だって俺『可愛い常連さん』のことなんも知らないから焦っちゃうし。安心できないしいつもひやひやしてたよ」

