ヤキモチからはじまる



待ち合わせ時間を少し過ぎてもまだ現れる気配がない。

お店が混んでてなかなか休憩取れないのかな
…??


ふいに後ろから抱きしめられた。



「ねえ…。あの男の子だれ??彼と付き合ってるの??」


カフェの制服のエプロンが目に入った。


杉浦さんだ………。

耳元で言ってくるから恥ずかしくなって顔が熱くなる。

なかなか状況を呑み込めず答えられずにいる。


「…答えろよ。」


いつもと違う低いトーンに戸惑う。


「あ…あの男の子って幸希のことですか…??」


私を抱きしめている腕の力が一瞬強くなる。

「なに?下の名前で呼び合ってるの?
仲いいんだね。やっぱり付き合ってるんだ?」


後ろから抱きしめられているから杉浦さんの顔が見える訳では無いのに怒っているのが充分に伝わってきた。


「付き合ってません!!!幸希はただの幼なじみです!!」