ブリキのロボットは笑わない



お昼ご飯はクミちゃんが誘ってくれて、他の女の子たちも一緒に食べた。


グループができあがっているから、あたしが入る輪はもうないと思ってたけど、そんなことはないみたいだ。

無表情なことも、わかってくれた。怒ってるわけじゃないし、そう思ったときは確認するって言ってくれた。


『けどまあ、わかる人ばっかじゃないだろうからね。でも、わかんない人のことなんか気にしなくていいよ』


すごいなあと思う。今日話したばかりの人にそんなふうに言えるんだもん。

いい人に出会えたし、それを教えてくれた椎名くんに感謝しなくちゃ。



そして、放課後。


「武内さん、一緒に帰らない?」

「あ、今日……」


うれしいけど、さっきクミちゃんから誘われたから断ろう。

逃げずにちゃんと言える。そう思ってたけど、クミちゃんが「しーなと帰りなよ」とニヤニヤしながら言ってきた。


……そんなんじゃないのに!


「クミちゃんと帰るよ」

「いーよ。明日だって、明後日だって帰れるし。明日、今日のことくわーしく聞かせてもらうしさっ。じゃあね」

「あっ、まっ……足早い……」


あたしがカバンを肩にかけている数秒のうちに逃げられてしまった。クミちゃん絶対勘違いしてると思う。

明日詳しく話すこともないんだけどなあ。