でも、黒髪の子は歩き出すんだよ。

何かに誘われているように、ゆっくり、ゆっくり。

ちょうど庭の中心に着たときに、それはおこった。

大きなパイプオルガンが彼女の目の前に現れたんだから。

驚いたさ。彼女も僕も。

そこに無いはずのモノがあるのだから。

でも、誰も居ないのに引かれる鍵盤。

そこからに聞こえるメロディー。