遅れてラウンジに入ってきた友達に、救われた気分になったるりだった。
正面に座られるのはあまり好きではない。正面に座られると、相手の目を見ることが辛くなる。だからるりはみおの目を見ることなく、隣を向いた。
るりの隣にはなるみが座る。なるみだからなるみん。るりが気高い気だるいような猫なら、小柄なハムスターのような愛くるしさを持った女性である。ストレートロングの髪型で、化粧もばっちり決めている彼女は、るりに向かって控えめに口を開いた。
「るりちゃん、二時限目どこにいたの?」
「……ここにいたよ」
おにぎりを食べる。その様子を見ながらみおは呆れたように言う。
「単位大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないと思う。だって実技だから」
たんたんと答えるるりにますます呆れる。みおは三年間一緒に学んできて、しかも一緒にサークル活動をおこなってきて、るりの気性や性質なんかをなんとなく理解しているつもりだ。るりは集団生活をしていく中で、万人受けする女性ではない。るりは集団の中でもアウトローな存在なのだ。
みおとなるみはそれ以上るりに対して言及するのはやめた。みおとなるみですらわかっていたのだ。るりはあまり自分の中に踏み込んでほしくないのだということに。
ラウンジには人が増え、すでに座る場所がない。人の雑談の声がラウンジ中に響く。たわいもない話をしながらご飯を食べ、時間は過ぎていく。課題のことやレポートのこと、幼児教育専攻ならではの製作物などの話をする。これができない、わからない、あの先生が厳しいなんて言いながら同調する。るりはおにぎりを食べ終わり、野菜ジュースも飲み終わっていた。るりは壁にかかった時計を確認する。そしてゆっくりと立ち上がった。それに対して二人は怪訝な顔をした。みおが尋ねる。
「……もう行くの?」
その問いに少し考えて、るりは答える。
「行かないよ。もう帰る」
「三限でないの?」
正面に座られるのはあまり好きではない。正面に座られると、相手の目を見ることが辛くなる。だからるりはみおの目を見ることなく、隣を向いた。
るりの隣にはなるみが座る。なるみだからなるみん。るりが気高い気だるいような猫なら、小柄なハムスターのような愛くるしさを持った女性である。ストレートロングの髪型で、化粧もばっちり決めている彼女は、るりに向かって控えめに口を開いた。
「るりちゃん、二時限目どこにいたの?」
「……ここにいたよ」
おにぎりを食べる。その様子を見ながらみおは呆れたように言う。
「単位大丈夫なの?」
「大丈夫じゃないと思う。だって実技だから」
たんたんと答えるるりにますます呆れる。みおは三年間一緒に学んできて、しかも一緒にサークル活動をおこなってきて、るりの気性や性質なんかをなんとなく理解しているつもりだ。るりは集団生活をしていく中で、万人受けする女性ではない。るりは集団の中でもアウトローな存在なのだ。
みおとなるみはそれ以上るりに対して言及するのはやめた。みおとなるみですらわかっていたのだ。るりはあまり自分の中に踏み込んでほしくないのだということに。
ラウンジには人が増え、すでに座る場所がない。人の雑談の声がラウンジ中に響く。たわいもない話をしながらご飯を食べ、時間は過ぎていく。課題のことやレポートのこと、幼児教育専攻ならではの製作物などの話をする。これができない、わからない、あの先生が厳しいなんて言いながら同調する。るりはおにぎりを食べ終わり、野菜ジュースも飲み終わっていた。るりは壁にかかった時計を確認する。そしてゆっくりと立ち上がった。それに対して二人は怪訝な顔をした。みおが尋ねる。
「……もう行くの?」
その問いに少し考えて、るりは答える。
「行かないよ。もう帰る」
「三限でないの?」
