「いいけど…」


「やった!俺木下隼斗よろしくね!」


「…早島愛里沙…」


「愛里沙ちゃんね!」


「…」


しまった…人見知りのくせに人に話しかけるんじゃなかった…何話せばいいのよ…


「…」


「愛里沙ちゃん2年生くらい?」


「…今日から1年」


「えっ、1年生なの!?」


あからさまに驚いてる木下さんに私は頷いた。


「てっきり同い年だと思ってた」


「…」


「俺2年なんだ」


「そう」


「…愛里沙ちゃんって」


「?」


「人見知り?」


「まぁ…」


「だからか、俺のことそんな興味ないのかと思った。」


木下先輩はホッとしたように言った。


「安心してるところに水さすようで悪いけど、人見知りだけど、興味があるわけじゃない。」


そう言って私は先輩をおいて一人で校舎に入った。


「早島愛里沙ちゃんねー」


私の背中を見ながら先輩がそうつぶやいていたのを私は知らなかった。