「どうしてここに?何してるの?」


「….はぁ。沙耶を迎えに来たんだよ」



「え、嘘」



「何それ。嘘言ってどうすんの」


「あ、ごめん。まさか静流くんが迎えに来てくれると思わなくて」



「酷い言い草だね」



目の前で不貞腐れてる静流くんが、まだ現実だと思わなくて、彼の頬をギューと摘まんでみた。



「痛っ‼︎急に何すんの‼︎」


「夢じゃ…ないんだね」


「夢じゃねーし。沙耶は俺の事どんな風に思ってんの?てか、自分の頬摘みなよ」



私が摘まんだ頬をさすりながら、ジトリと睨む。



「ごめんね。私の事心配してくれてると思わなくて」



私がそう言うと、静流くんに両頬をギューと摘ままれた。



「こんな夜中に1人で帰すなんて、心配するに決まってるでしょ」



あまり言い慣れてない感たっぷりで照れてる静流くんが可愛くて、笑ってると



「その笑顔、外では禁止」



「え?何で?」



「…可愛すぎるから」



今日の静流くんは、反則です。



いつもより、もっともっと大好きになっちゃった。




end.