やっと仕事が終わり、外に出ると真っ暗。時間のせいか、殆ど人が歩いていない。それを見て、さっき茜の申し出を断らなきゃ良かったなと軽く後悔した。



ちょっと進んだ所に繁華街がある。
そこまで早足で真っ暗な道を進んだ。



もう静流くんの馬鹿‼︎
襲われて死んだら祟ってやるんだから‼︎



薄情な静流くんに対してふつふつと怒っていたら、後ろから人の気配を感じた。



怖くなって、少しスピードを上げると後ろも同じようにスピードが上がった気がする。



や…やだ。怖い。


走ろうと足に力を入れようとしたら、後ろから凄い力で手を引っ張られた。



「きゃあ‼︎静流くん‼︎静流くん‼︎助けてよ‼︎馬鹿ぁっ‼︎」



半狂乱になって相手の人をバシバシ叩いていたら、



「痛っ‼︎ちょっ、沙耶‼︎俺だって」



聞き覚えのある声。


「あれ?静流くん?」


「…そうだよ。痛ぇ」