「あの、もしもーし。静流くん?ちょっと〜?」


「…………」



これはやっぱり…寝てやがるな。
人と電話中に寝るというのは大人としてどうかと思うけど、いつもの事だからもう慣れっこだ。



「静流くん?まぁ、聞いてないと思うけど。今日、残業があるから帰るの遅くなるね。適当にご飯食べててくれる?」



「何時になるの?」



「あ、起きてたんだ。じゃ、返事ぐらいしてよ」



「面倒くさくなった」



彼女との電話に面倒くさいって何だ。
まぁこれも悲しいかな、いつもの事だけど。



「何時になるか分からないよ。結構、仕事残ってるから」



「ふーん。分かった」



そう言うと、静流くんはあっさり電話を切った。