振り返ると、姿は無いが
確かに聞こえてきたのは帝の声
きっと、奥の椅子に座っているのだろう
「そうですね。せっかく来たんだし
一緒に飲みましょうか?
聞きたい事が山ほどありますし…」
黒い笑みで手招きをするな。晴翔
帝に言われては、俺は逆らえない。
「かれんちゃん、この部屋に入ろう。」
暗くて、足元がよく見えないからか
ゆっくり螺旋階段を降りている
かれんちゃんに声を掛けると
「わ、私はいいや…」
と拒否されて何とか説得する。
渋々、 了承してくれて
部屋に入ってくれたけど
中央のソファーを陣取る
帝をみて、あからさまに嫌な顔をする。
君は勇者だよ。かれんちゃん
ほら、帝の機嫌が更に悪くなった。
入り口に立っているかれんちゃんを
「座れよ」と、言って帝が
自分の隣に手招くが
「お邪魔します」
そう言って座ったのは、
対面のソファーの俺の隣に
ちょこんと座った。
これは、とても嬉しい事だか
いまは素直に喜べない。
VIP席の温度は、間違いなく
下がったと思う。
「……。」
無言で、かれんちゃんを見つめる帝
「そちらが…いいですか?
出来れば、帝の隣に座って頂ければ」
「ここが…いいです。」
無意識だろうか?
俺の袖を掴むのは、止めてくれ。
