「ねぇ、あの子だあれ?」
帝が腰を抱いている
婚約者になるでろう女が
甘えた声で帝を見上げる。
女を見る素振りも見せず
返事もせずそのまま歩き出した帝。
この婚約者になるであろう女を
帝が愛しているかと言えば、答えはNOだ。
1年前に大きな取り引きがあって
その取り引き先の娘がこの女、
まさか、親を使って
婚約者に成り上がるとはね。
他の女に比べれば扱いはいい方だか
それは、取り引きの為であって
そこに恋愛感情があるわけではない、
頼まれれば、キスをして
求められれば、抱く。
決して邪険になんて扱わない、
だからと言って、他の女を
抱くことは辞めない。
求められるままに求められる事をする
なんの罪悪感も抱かずに。
帝は、きっと感情が欠落している。
それに漬け込んで
帝を縛ろうとするこの女は嫌い。
小日向 愛由美 (こひなた あゆみ)
何もかもがいけ好かない。
良い子ちゃんぶるあの姿もね。
帝に並んで歩いていく
女の背中をそっと睨みつける。
