急いで横断歩道を渡り
お店の中に駆け込むと
ユウちゃんが椅子の片付けをしていた。

「思ってたより、遅かったけど
何かあったのか?」

「ど…どうしよう。ユウちゃん
私、カツラ取れちゃった。」

「そうか」

そう言って、片付けを進めるユウちゃん

あれ?思ったより反応が薄い
危険だから、男の格好をして
行ったのに女もばれたのに

「それでね、呼び止められのに
そのまま走って逃げてきた。
ちょっと、これはヤバイ…よね?」

この話は興味があるらしく
食いついきた。

「奥の部屋にいた、綺麗な男の
人に、呼び止められたんだけど
絶対偉い人だよね?どうしよう
ユウちゃん、お店に影響とか…」

驚いた顔をして、
大丈夫だとユウちゃんは言うけど…

「その、綺麗な顔をした男が
お前を呼び止めた事に驚いてるだけだ
かれんは、心配しなくていい。」

そう言って、私の髪がくしゃくしゃに
なるくらい撫でて
また片付けを進めるユウちゃん

「お前も早く片付けろ」と言われ
急いで私もホールの掃除を始めた。


明日は、いい日になりますように…