え、じゃあ実際は付き合ってないの? 怜は智子さんが好きで恋人になったわけじゃないの? 「俺は乃彩がいれば何もいらない」 そう言ってまた強く抱き締めてくれた。 もう怜のばか。涙が止まらないじゃん。 「ちっ」 成雲くんは舌打ちをすると空き教室を出て行った でも、成雲くんが私のこと好きだったなんて意外だな。 何かの間違いだよね。きっと。 それにあんな優しくて穏やかな人が舌打ちするなんて。 「乃彩のばか!」 「え、?」