「…結衣さーん、俺のこと忘れてませんかー」
すねたみたいに、晴輝が口をとがらせてる。
かっ可愛い…。
周りの女子も、目がハートになってる。
「うるさいよぉ〜山崎くん。結衣ちゃんは、教室に行くの。」
「は?彼氏の俺と話すに決まってんだろ?」
…また始まったよ…。
沙里は、晴輝にはいつもけんか腰。
たぶん、仲良く話をする気なんて、全然ないはず…。
なんでそんなに、嫌いなんだろ?
「だまってね?独占欲の塊」
「は、ちげーし」
「結衣ちゃんが鈍感だから気づいてないだけで、あたしにはあんたがクソってことはバレバレなわけ」
「クソじゃねーし。ただ俺は、結衣が好きなだけ」
「もうっ結衣ちゃん!やっぱり別れたほうがいいよぉこんな奴!」
「はあ?!ダメだぞ!結衣!だまされるな!」
…何を言ってるんだろ。
この二人は…。
独占欲って、晴輝にあるわけないじゃん。
しかも、こんなデブに。
それに、1番違うのは…。
あたし鈍感じゃないし!!!!
なんて、今言ってもスルーされるだけだよね…。

