―比呂SIDE―


俺の好きな人は、とても鈍感。

それに天然。

そんなやつを好きになるとか、マジで運悪いな。俺…。




俺は、小学生のときから、ずっと一途に結衣だけを思い続けてきた。


正直、自分がキモすぎて、笑えるけどさ。

気づいたのは、中学の時だけど、小学校のときから違和感を感じてた。



まあ、気づいたときには、そいつは他の奴にとられてたんだけどな…。


ほんと、運悪すぎ。



それが、今はまさかの展開になっている。


結衣が、俺のことを好きになりかけてるという。


これは押すしかねーだろ。





俺と結衣んちは、本当に仲良しだから、俺はいつも結衣の家で夕飯を食べてる。


あ、おれんちの家族もな。


結衣ママと俺の母さんが、いつも楽しそうに作ってる。




つまり、俺にはチャンスがありすぎるってわけ。




「結衣、帰るぞ」




彼氏と別れたとか言ってる今、久しぶりに一緒に帰れる。




「そ、そんなあたしと帰りたいの〜比呂くん??」

「うん」


どーせ、鈍感だから直球でいかなきゃ伝わらねーんだよなー。

めんどくせー。




「へっ?!う、うんって……」

「早く準備して、おそい」

「はあ?!うるさ!ちょっと待ってよ!!」




文句も言いながら、俺に駆け足でついてくる結衣が可愛すぎて、やばい。

おれ、重症だな…。