「でもさ…」







「男子と話してみるって言っても…何話せばいいのさー!!!」






あたしは、一人で叫んでおります。

本格的に話してみようと思ったけどさ…。




…そーいえば。


いつも、男子と話そうとすると、晴輝が話しかけてきて、話せなかったんだよな〜。


そーいえば、いつも晴輝がいた…!


あたしが男子苦手なのって、晴輝のせいじゃん!!






「〜もう、そんなことで悩んでちゃ始まらないでしょ。いってらっしゃーい」





あたしは、沙里と梨里に押されて、クラスで中心のグループの一人にぶつかってしまった。




「うわっ!ごめんなさい…!」 



やばい…!怒られる!


そう思って、頭を下げると。




「いやいやいや…ぜんぜんいいよ!…むしろ、ラッキーなんだけど!」



「え?」

他の人と勘違いしてないかな…?

だって、あたしだよ?!

あのデブだよ?!




「佐野さん、痩せてすっごい可愛くなったよな〜!まじ、タイプなんだけど!」


「ええ?!それ、ほんとに言ってますか?!」



「はは、ホントだよ!てか、なんで敬語?!」


「えっと…じゃあ…ありがと…//」


「(ドキッ」



あたしが可愛いだって…!


やばい…お世辞でも嬉しい…!


でも、あたしこの人の名前知らないんだよな…。


けど、いい人そう!




「あっあのさ!佐野さんも一緒に話さない?大歓迎だし!あ、俺、木村理斗ね!」


「いいの?!」


「おう!」


「じゃあ、お言葉に甘えて…」



あたしは、その人の横に座った。


なんとなく座ったけど、隣でよかったのかな…。




「へっ?!……もしかして、佐野さんって天然…?(普通に俺の横座ってくるし、距離近くね?!)」



「ちちちちがうよ!」


「ぷっ…嘘つくの苦手系女子ですか?ww」



「むむ…!…木村くんて、結構、意地悪?!」


「どーだろーね?」




…木村くんて、意地悪だけど、面白い!


なんか、いろんな男子と話してみると、楽しい!


すると、黒い笑顔であの二人がやってきた。





「楽しんでるとこ、ごめんね。ちょっと引きとるわ」

「じゃあねぇ〜」



え、なんで?! 

うまくいってたじゃん!


失敗してないよ!





そのままあたしは、自分の席に戻された。




「どうしたの?あたしなんかしたっけ?!」


「あのね〜惚れられたらだめだよぉ〜男友達にならなきゃねぇ」


え?!

そのつもりだよ?!




「ほっ惚れられるって?!あたしが?!ありえない!」



「「……」」


「二人共、考えすぎだよ!」




「そろそろ、キレてもいいかな〜。」

「沙里も限界でーす♡」




んん?!



またあたし、鈍感って言われる流れじゃない?!


木村くんは、全然普通に接してくれてたよ?


そこに、恋愛感情はなかった気がした。




「…明らかに、赤くなったじゃん。視力の問題かな〜…」


「結衣ちゃん、両目ともAだったよぉ」

「じゃあ、なんなの。この鈍さ!」


「…もう赤松に任せてしまいたいよお…」



…なんでそこで比呂が出てくるの?!

あんなやつ、関係ないし!!



そーいえば、どこ行ったんだろ…?