「なに?別れたんだ」
急に背後から、誰かが顔を出した。
げっ。でたよ。
あたしの天敵、幼馴染の赤松比呂…。
赤松家とは家もとなりで、親同士も仲良し。
高校も一緒とか、どんな縁よ!!!てなわけです。
「あの王子君とケンカでもしたか〜?」
「…うるさいな…ほっといてよ」
「ふーん、まあ、俺にとってはラッキーだけど」
「はあ?人の不幸を喜ぶな〜!」
「……相変わらずの鈍さ…」
「だから!あたしは鈍くないの!」
比呂は、晴輝のことを王子くんって言ってる。
なんか、王子っぽいからだってさ〜。
まあ、そんなこと言ってる比呂も、晴輝と同じくらいモテるんだけどね…
ありえません…。
あたしと比呂が軽い言い争いをしていると、梨里と沙里がニヤニヤし始めた。
「…なに?」
「いや〜別に〜?気づいてないなら、いーよいーよ」
「…なによ!気になるから、言って!」
ニヤニヤしながら、そんなこと言われたら気になるし!!
「えー?じゃあ、ヒントだけねぇ?」
…ヒント?
なんの?
「……結衣ちゃんさ〜赤松と話すときは、怒ったり、悲しんだり、いろんな反応するよねぇ」
「え?」
「そこからは、自分で考えな??」
「う、うん…?」
梨里と沙里は、そのまま比呂を連れて行った。
あたしは、一人ぼっちで考え中でございます…

