イケメン彼氏と(元)デブ子ちゃん

ガラガラ




その時、保健室のドアが一気に開いて、スタイルのいい男子が入ってきた。



「おいデブ、またいるのかよ」


あたしの顔もみらずに、あたしと分かってしまうのがすごい…。



そして、またまたイケメン。




「なんでわかったの?!」

「声で分かるんだよ、バカ」



そう、この子とあたしは知り合い。

怜くんっていうんだけど…。

あたし、ドジだからたくさん怪我してて、いつも怜くんにお世話になっております…。



「てか、お前怪我しすぎ…って…はあ?!」



あ!忘れてた…。

あたし、デブじゃなくなったんだ!


ていうか…今まであたしの顔見らずに話してるとか…生意気。





「お前…本当にあのデブか?!」

「…そうだよ!失礼な!」



さすがに、その反応は傷つく…。





「おい!怜!知り合いなのか?!」

「知り合いっつーか、俺が迷惑かけられてるだけ」

「うわ!ずる!」




…隼人くん、素直すぎて…照れる…。



「おい、デブ。もしかして…彼氏と別れたのか?」




え?!なんでそーなるの?!


まあ、怜くんにはいろいろ相談してたけど…。



「だって、お前の彼氏は太ってるほうが好きだから、ずっとデブだったんだろ?痩せたってことは、別れたんじゃねーの?」


「ちがうよ!そんなわけないじゃん!」


「じゃー、なに」


「…あたし…ほんとに晴輝のこと好きかわかんなくなっちゃって…」


「あー、それでいろんな男子と話そうとかそんなことだろ?」


「…はい…」

「…」



黙ってるし…!


好きかどうかもわからないとか…あたしが、

恥ずかしい思いしただけじゃん…!



「あの…」


ずっと黙ってみていた、女の子が話しかけてきた。



「彼氏って…もしかして晴輝様ですか?!」

は、晴輝様って…。

下級生にも有名なんだ…!



「あ、まあ…」

「へ?!すごいですね!」


「いやいや、全然すごくないよ?!…今だって、けんかっぽいのしてるし…」


「え?!晴輝様とケンカとか羨ましすぎですよ!!……あ、けど、すぐ仲直りできますよ!だって…溺愛王子で有名……っんご?!」



女の子がなにか言おうとしたとき、怜くんが女の子の口をふさいだ。



「怜!なによ!死ぬかと思ったじゃない!」

「余計なこと言うな、バカ」

「はあ?!余計なことって何よ〜」

「もう黙っとけ」



なに?!

そこで止められても気になるだけだよ?!


やっぱり奏多くんって何考えてるかわかんないや。



「まーいいや!じゃあ、あたし行くね!」




いつの間にかうったおでこには、冷たいものがあたってた。

それは、オレンジジュースだった。

隼人くんが自分が飲もうとしてたのを、くれたみたい。




「また俺とも話してくださいね!」

「うん、またね!これ、ありがと!」




あたしは、スキップで教室まで戻った。

だって、せっかく体が軽いんだもん!

楽しまなきゃ!



それにしても、あたし…告白されちゃったんだ…!

やば!