晴輝だ!


どーしたんだろ…?




「あっ!晴輝!あのね………って!えっ?!」




突然、晴輝があたしの手を引っ張って、歩き出した。


どうしたの?!


そのまま、空き教室に来て、あたしは生まれて初めて、壁ドンというものをされた。




「はははは晴輝?!」



なんか、怒ってる?!




「なんで」


「…え?」


「なんで戻ってんの?」





…キレてる…。


喜んでくれると思ったのに…。




「俺が太らせた意味無いじゃん」


「それは…ごめん!けど…晴輝が喜んでくれると思って…!」

「はあぁ…」


ビクっ…。

晴輝があたしの方に頭をのせた。



「はる…き?」

「俺以外の男に近づかないで」

「え…?」



驚くほど、弱気な声。


どーしちゃったの?!




「てか、近づかせねーし」



ドキ…。

やばい…心臓がうるさい…。



「あっあたし…!授業始まるから…!」



あたしはそのまま、赤くなった顔を隠して、教室まで走った。


初めて、晴輝と同じクラスじゃなくてよかったと思った。