『ぁっ、兄ちゃん……
そこダメ……わかってるくせに……‼』

俺は“ダメ”と言っているけど
本気じゃない。

兄ちゃんもわかっているだろう。

『ダメ? 気持ちいいの間違いだろう?(黒笑)』

ほら、やっぱり。

このやり取りは何時ものこと。

俺達が兄弟の域を
越えたのは二年前。

俺が中三、
兄ちゃんが高一の時に
告白されて
“宜しくお願いします”
と言ったらキスもされた。

それから二年、両親に
いまだ言えないまま
こうして、何度も何度も
身体を重ねて来た。

俺が兄ちゃんを恋愛感情で好きだと
気付いたのは小六の時。

最初は自分でも戸惑ったし
間違いだと思った。

ずっと、“兄ちゃん”として
好きだったはずなのに
“恋愛感情”で好きになるなんて……

そう思っても日に日に
この気持ちは膨らむばかりだった。

兄ちゃんから
告白されるとは思いもしなかったけど。

そして、今現在に至るわけだ。

『皇多、
どうしてほしいか素直に言えよ』

感じている俺の耳元で囁き
後ろをイジっていた指を抜いた。

『!? 指、抜かないで……もっと……』

これも意地悪の一つ。

だが、その言い分は却下され
変わりに兄ちゃんのソレが
さっきまでイジっていた
後ろへいっきに挿ってきた。

『ぁぁぁぁっ‼
兄ちゃんの挿ってる‼』

俺、今どんな表情(かお)してんだろう……

『ほら、自分で動いてみな』

また、兄ちゃんの意地悪が始まった。

『んんっ、はぁっ、俺、もうダメ……
陽菜人、お願い、動いて……』

兄ちゃんは、俺が理性を
手放している時に“陽菜人”って
呼んでると思ってるみたいだけど
本当は、少しだけ理性が残っている。

だから、俺が“陽菜人”って呼ぶ時は
甘えたくて、動いてほしい時。

『しょうがない奴だな(笑)
ちゃんと掴まってろよ?』

俺が頷くと動いてくれた。

『ぁん……ぁっ……ぁっ……ぁぁ‼』

俺がイった締め付けで兄ちゃんもイった。

中に兄ちゃんのを感じて幸せだと思った。