黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜






パリーーンッ!!



「!?なんだっ!?」


突然、ガラスの割れる音がする。


なに…?


かろうじて開く右目で、音のした方を見るとーーー





ガッ!!



ドゴ―ンッ!!





「うわァぁっ!?何だお前ら!!」


「あ~あ…手加減しろって言ったのにな。レイ」


「死なねぇ程度だろ?…上出来だ」



この声ーーー!!


聞き覚えがありそうで、でも聞いたことのない声。




「レイ…?」



こんなに怒っている声…聞いたことない。



「へぇ~?珍しいじゃねぇか、クロ。売られた喧嘩しか買わねぇ奴らが、こんなとこになんの用だ?」


座っていた泰雅が、立ち上がる。


泰雅の目は、まっすぐにレイたちの方へ。



ヤバイ…!!


完全に、戦闘態勢だ…!!



いくら黒桜の二人だって、泰雅を含めたこの人数じゃ…勝てないよ。



「ははっ、悪いね泰雅。今日は喧嘩しに来たわけじゃないんだ。…その子、返してくれる?」


レイと一緒にいるのは、タトゥーの人。