黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜





優しさを、知ってしまった。


黒桜に連れて来られたのは無理やりだったけど。


怖かったけど。


蹴られたりしたけど。






本当は、ちょっとだけ、嬉しかったんだ。



体だけじゃなくて、存在自体を認めてくれたみたいで。


冷たいことを言ったりするくせに、意外と優しかったり。



仲間がみんな仲良かったり。







「レイ……」





抱きしめられて、温かかった。


鼓動も、安心した。





「助…けて……」