優しさを、知ってしまった。 黒桜に連れて来られたのは無理やりだったけど。 怖かったけど。 蹴られたりしたけど。 本当は、ちょっとだけ、嬉しかったんだ。 体だけじゃなくて、存在自体を認めてくれたみたいで。 冷たいことを言ったりするくせに、意外と優しかったり。 仲間がみんな仲良かったり。 「レイ……」 抱きしめられて、温かかった。 鼓動も、安心した。 「助…けて……」