黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜



「…遅ぇよ。ナナキ」


偉そうに、バイクに座っている泰雅。


その後ろには、タイガーアイのメンバーがズラッといる。


「ごめん」


あたしに非はないと思うけど…何も言わずに謝っとく。


できれば早く終わらせたいし。



「ふーん、素直なんだな」


「……。」


触らぬ神に祟りなし。


あまり無駄なことを喋らないように…。



「…ナナキ。お前、昨日からどこにいた?」


「え…」


昨日…。



「いやぁ〜。俺のお友達がさ、お前が男とバイクに乗ってるとこ、見たらしいんだよね〜」


男と…バイク…。



あ…。



朝…レイと一緒に登校したときか…。



「別に…。遅刻しそうだったから、送ってもらっただけ」


「ふぅーん…」



バイクを降りて、こっちに近づいてくる泰雅。


…半笑いしながら。


これは、ヤバイかも。



「調子乗ってんじゃねぇよっ!!」


ドカッ!!


「うッ!!」


強い蹴りが腹部に当たり、飛ばされた。


速くて…防御も何もできなかった…。