「…遅ぇよ。ナナキ」
偉そうに、バイクに座っている泰雅。
その後ろには、タイガーアイのメンバーがズラッといる。
「ごめん」
あたしに非はないと思うけど…何も言わずに謝っとく。
できれば早く終わらせたいし。
「ふーん、素直なんだな」
「……。」
触らぬ神に祟りなし。
あまり無駄なことを喋らないように…。
「…ナナキ。お前、昨日からどこにいた?」
「え…」
昨日…。
「いやぁ〜。俺のお友達がさ、お前が男とバイクに乗ってるとこ、見たらしいんだよね〜」
男と…バイク…。
あ…。
朝…レイと一緒に登校したときか…。
「別に…。遅刻しそうだったから、送ってもらっただけ」
「ふぅーん…」
バイクを降りて、こっちに近づいてくる泰雅。
…半笑いしながら。
これは、ヤバイかも。
「調子乗ってんじゃねぇよっ!!」
ドカッ!!
「うッ!!」
強い蹴りが腹部に当たり、飛ばされた。
速くて…防御も何もできなかった…。


