黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜



「!!優月ッ!!」


「うぅ……」


すごい力でふっ飛ばされた優月の額には、血が滲んでる。


「もうやめて!!優月を傷つけないでよ!!」


(優月は関係ないのに!!)


あたしの視界も、涙でぼやける。


ガッ!!


「うッ…」


みぞおちに一発、泰雅から蹴りを入れられ、意識が朦朧とする。


「ナナッ…!!」


「お前は自由になんかなれねぇよ。どこに行っても、オレが探しだすからな」


優月と泰雅の脅しの声を聞きながら、あたしは意識を失った。