黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜



ハッとしてスマホから視線を上げると、少し息切れしたレイが。


「行くぞ」


「…ん」


もしかして、走ってきたの?


待たせないように?


自分勝手っぽいのに、そういうところもあるんだ…。


意外かも。



「…なんだよ?」



「え、いや…。なんでもない」



同じ男でも、泰雅とは全然違う。


誰も信じてはいけない。



けど…この人は…。