後ろで誰かが叫んでるけど、そんなの気にしてらんない。


ドアノブに…手が…


届いたっ!!



「やった!これで…」



ガチャッ…バタンッッ!!


「!?」


開けたはずのドアが、勢い良く閉まる。


「な、なんで…!?」


あたしの背後には…タトゥーの人が。


「…逃さないよ。ナナキ」


「!?」

い、いつの間に…!?


笑顔で話しているけど…目の奥が笑ってない。


この人…ヤバイ人だ。



「キャッ!?」


ものすごいスピードで両手を取られ、あたしの体は宙を浮いた。


正確には、担ぎ込まれたって感じ。