烏間地区。


それは、暴力だけが取り柄の不良達が、ゴロゴロと集まる場所。


商店街は、ほとんどの店がシャッターを下ろしている。



治安も悪く、普通の人は近づくこともない街。


そんな街に、あたしは住んでいる。


「おい…ネェちゃんよぉー。あそぼーぜ?」


「………」


「…シカトかよ。いい度胸してんなッ!!」


あたしの肩を掴んだ男。


…あー、ウザイ。


あたしは瞬時に男の手をひねって、

ヒュッ…ゴキッ!!


「うわァァ!!」



これくらいすれば、平気かな。


痛みで絶叫し、地面に這いつくばる男。


そりぁ、肩を外したんだから痛いでしょ。


「お、覚えてろよ!!」


「安い決めゼリフ…」



…こんなことは日常茶飯事。




あたしは、佐倉七季。


近くの黒橋学園高校に通っている、高校二年生だ。