黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜



でも、そんなあたしの頭をいっぱいにしていたのは、レイだった。



(どうして…あたしの言いたいことが分かったの?)



あれは、完全に助けてくれた。


あたしが、カイの名前が分からなくて、困っているのを、理解していたんだ。     




(ずるい…)



きっと、本人は無自覚なんだろうな。
  

こうやって、女子を落としていったんだ。


そう、勝手に納得したあたし。




「ついでに、みんなの紹介もしたろーか。おーい、お前らー」



カイの一声で、ノソノソとやってくる二人。


一人は、いつぞやの変態最低赤髪。


たしか、ナツ。



もう一人は、眼鏡で理知的っぽい男。