でも、そんなあたしの頭をいっぱいにしていたのは、レイだった。
(どうして…あたしの言いたいことが分かったの?)
あれは、完全に助けてくれた。
あたしが、カイの名前が分からなくて、困っているのを、理解していたんだ。
(ずるい…)
きっと、本人は無自覚なんだろうな。
こうやって、女子を落としていったんだ。
そう、勝手に納得したあたし。
「ついでに、みんなの紹介もしたろーか。おーい、お前らー」
カイの一声で、ノソノソとやってくる二人。
一人は、いつぞやの変態最低赤髪。
たしか、ナツ。
もう一人は、眼鏡で理知的っぽい男。


