黒桜 〜あたしと5人の黒狼〜




あー、もう!!



「ずいぶん楽しそうやないか、レイ」


そう言って近づいてきたのは、関西弁のスキンヘッド。


確か、名前は……




「そう見えるか?」


名前が…出てこない…。



「表情筋、ずっとあがりっぱなしやで?……ん??」



じっと、スキンヘッドの顔を見ていたからか、疑問を投げかけられてしまった。



「えっと……」


名前が思いだせないなんて、失礼だよね。



そんなあたしを見たのか、レイが口を開く。



「カイ…でいいよな?呼び方」


えっ…?



どうして…。



「あぁ!名前が分からんかったんか!!ええで、カイで」



「あっ、はい…」


人懐っこい笑顔で、ポンポンと肩を叩く、カイ。