ある噂話の世界にて






通学路で道端に倒れている女の子を見つけた

制服はうちの学校と同じだ


(うちの学年じゃないな。
 他の学年かな?
 でも、見かけたことないけど……
 じゃあ、転校生かな?)


とにかく心配なので声をかける。


「あのっ、大丈夫ですか?」


それにしても、朝のこの忙しい時間帯だっていうのに、
通行人はなんで誰一人もいないの?

不思議だなぁ


「えっと…どこか痛いのですか?」


言ってから頭の中でツッコミをいれた。

(どこか?って思いっきりお腹抱え込んで
 倒れてるじゃん!
 これで頭が痛いです。とか言われたら
 どーすんだよっ)


そう、女の子はお腹を抱え込んで倒れていたのである


時々聞こえるのは彼女が痛みに耐える声


「大丈夫ですか?
 立てますか?」


「お…お腹が、痛いです。」


やぱりお腹が痛いと訴えてきた


「救急車、呼びましょうか?」

そう言ってケータイを鞄から取り出すと

「あっ、大丈夫です。
 多分…立てます。」


そう言って、断った