でも、優雨が声をかけてきたことにはビックリした。




中3の夏休みの私の誕生日。花火大会の日。



イジメもだんだんエスカレートしてきた頃。




私は優雨に告白された。




〝 奈那、ずっと好きだった 〟




ノイローゼのようになっていた私はそれが信じられなくて。




〝 何の罰ゲーム?〟って聞き返してた。





その時、私は確かに優雨のことが好きだったと思う。




でも、女子の声が怖かった。




逃げたんだ。




「私も」ってひとこと、言えば良かったのに。




優雨はすごく、すごく悲しい顔で



〝 ごめん 〟って言った。




1人で走って帰った。髪も浴衣もぐちゃぐちゃにして。



この夜は声が枯れるくらい泣いたのを覚えている。