「ほら、起きて・・・・・。」
うーん……。
誰かの声が聞こえる。
『まだぁ、寝るぅ……。』
そういい、また夢の世界に入ろうとすると苦しくなる。
「ふーん、起きないんだ。じゃあ、ユウ、、、僕の好きにしていいよね?」
私はそこで意識が覚醒した。
苦しくなったのは抱きしめられているからだ……。
『アル、なに勝手に私の布団に入って抱きついてるの。』
私は、顔をひきつらせ……双子のアルにそう言うと眩しいほどの笑顔で言ってきた。
「勝手にじゃないよ。ちゃんとノックしたし僕とユウの仲だろ?」
「それに今日は、入学式だよ?」
何が僕とユウの仲だよ。
ただの双子……って!!
あ、あ、あぁ…………。
『わ、忘れてたぁーー!!』
や、やばい。
早く支度しないと!
初日は、確かクラス分けするはず、、、遅刻とかまずい。
「だからちゃーんと、起こしてあげたじゃん」
うん、そうだけど、わかったけど。
とりあえず着替えるから出てけ。
「え、出てかないとダメ?」
あれ、今、私口に出してた?
てかなに涙目で上目遣いで首かしげて言ってきてるの。
……可愛いわ、馬鹿って!!
『なに心の中よんでるの?てかそんなあざとく言ってもダメだから。』
アルは、なんかブツブツいいながら部屋から出ていった。
さて今のうちに早く着替えないと!
つい先日届いた制服に着替える。
そしてアルに着るように言われたパーカーを着て、フードをかぶる。
うーん、両方ともやっぱり慣れないな……。
よし、支度できた!
『アるっ
「呼んだー?」
え、いつからいたの!?
まだ言い切ってないのに返事が来たよ、すぐ真後ろから。
まさか……。
いやもうこのさいどうでもいいや。
「学校行こうか♪」
『……うん。』
差し出された手をとり、駅に向かって歩き出す。
お母さんとお父さんは何年も前に他界した。
私の姉は、そんなこと知らないでお城で暮らしているだろうが……。
私は、アルと他愛のない会話しながら駅に行った。
