日暮れ物語

博士はその箱を外に向かって投げた。



ぱあっっっっ!


その途端、一瞬にして真っ赤だった扉の向

こうが、空の色が戻ったのだ。


「すっげーなんで!??」

日暮は、紙飛行機を遠くまで飛ばしたお父

さんを尊敬の眼差しで見つめる4歳児のよう

だった。


「エッヘン!これはな、この椎名博士が発

明した名づけて『水圧縮装置』だ!この箱

みたいなやつの中には大量の水が圧縮され

ててボタン1つで水がいっせいに吹き出るの

だ!!!!」

得意げな博士に素朴な疑問が浮かんだ

いくら博士でも、、


「水って圧縮出来るの?」

「出来る!」

「嘘だぁ」

「Ican オミズ アッシュク!」


だが、博士は1つ疑問に思っている事がある
のだ。

それは、、、

「その手の中に抱えている丸いやつ。なんだ?」