こんな終わり方、意には反しているけれど、それでも〝あそこ〟に戻りたくない。


「馬鹿みたいな人生。」

あっけない幕引きに、涙さえ出てこない。


ただ普通の人生を送りたかっただけなのになぁ。


ゆっくりと目を閉じ、刀を持つ手に力を入れる。

出来るなら、次の世では_____…



意を決して、勢いよく振り下ろそうとした瞬間。



「ぎゃああああああっ」。



「え…。」

突如、響いた男の奇声。

な、何事…?



思わず、持っていた刀を下ろし、その方向に視線を向ければ、次から次へと男達が叫び声をあげて倒れていく。


何が起こっているのか分からず、どんどんと近づいてくる正体不明の敵に私は身構えた。