恋愛コンプレックス。


「その...可愛い...です。ハイ。」




なんで2回言ったー!!




ドキドキドキ……




落ち着け。翔はそういう事何も考えずに言っちゃうやつじゃん。別に深い意味はない。




なのになんで心臓がずっとうるさいんだろ...。




「……なんか俺ヤバいかも。」




「えっ?」




「心臓バクバクしてきた。これってあれだよな!好きなやつといるとドキドキするみたいな!」




え?!急に何言ってんの?!なんでもかんでも言葉にしすぎだよ!




っていうか、好きなやつって……。




「うん、そーかも!俺好きかも!」




「なっ!何言って...!」




「結衣が好き!!」




なんでこうなった!!ここゲーセンだよ!?いきなり告白とか...。




「それっ...ち、違うと思うよ...?」




私が言うと、翔は眉間にシワを寄せて首をかしげた。その姿は怖いの一言に尽きる。




「と、友達いないんでしょ?私なんかとばっかり話してるから、勘違いしてるんだと思う!」





「?そうなのか?」





そう。きっとこれは一時的な感情で、もっと人と関わっていけばその内勘違いだったと気付く。




「そうだよ...。それに、私達は友達なんだよ?」




「あ、そーだった忘れてた。けど友達からでも別におかしくねぇだろ。」




ゔぅぅ...なかなかしぶといな...。




黙り込んでいる私を見て、翔は何かを決意したように「よし!」と言った。




「俺を好きにさせて、勘違いじゃないって証明するから。」




まったく……何を言い出すかと思えば...。




「私があんたを好きになると思う?」



「………………。」





1%の可能性もない!……と胸を張って言いきれない。だって、さっきこいつにドキドキしてしまったのは事実だから。




「好きにさせるには、ドキドキさせるのが1番手っ取り早いよな。」




どこで知ったんだそんな情報。




「し、しないよ。ドキドキなんて……。」