「う、うるさいなっ……!」
あっ、待って。今気づいた。
2%って、遠まわしに好きって言った事になるんじゃ……?!
2%って言ってもそれは好きの度合いを表してるわけで、それが2%になったって事は好きになってて……でも5%にも満たないしそんなのほぼ無いのと同じだよね...いや、しかしコイツのことだから調子に乗って今まで以上にベタベタしてくるかもしれないし……だとしたら今の発言は撤回した方が良いのかも……。
「うーん...。」
チラッと翔を見たが、心から幸せそうな顔をしていてとても言い出せなかった。
今更なしにしてくれなんて言ったらどんな事されるか……怖い...。
それに自分から言ったんだしな……2%は好きって……。無かった事にするのは卑怯だよね…。
えーいもうこうなったら!!
「に、ににに2%ですが、なっ、なにか?いい言っときますけど、べっ、別に好きになったわけじゃないのっ、で...。」
「ごめん、噛みまくってて何言ってんのか分かんないわ。」
そんなのこっちが言いたいわ!!
動揺を隠して言ったつもりなのに〜...!!
落ち着け落ち着け。取り乱したら負けだ。
「コホン。とにかく、2%だかんね2%!」
「おぉ、2%だな!ちゃんと分かってるって♪」
絶対分かってねーー!!
なにをそんなに浮かれてんだか……。
私と一緒にいて、なんで嫌じゃないんだろ。
みんな同じなのに、なんで翔だけ...。
「ねぇ、その...本気で好きなの……?」
少し照れくさいけど、なぜだか翔の気持ちがもっと知りたい。多分これは恋とはまた違った別の感情。
「……なんでそれ聞くの?」
「え?いや、えっと……。」
まさか聞き返されるとは思ってなかった。
勘違いだと思うけど声に圧を感じるような...。
でもここで黙って引き下がるわけにはいかない。
「みんな私を嫌って遠ざけようとするのに、翔は私を好きって言ったでしょ?一体、私のどこにそんなに本気になってくれてるのかなって...。」
私が言い終わると、翔は大きなため息をついて私を見た。
「あのな、前にも同じこと言わなかったか?」
「好きな理由は聞いたけど……。」
「うぐ……確かに……。」
ん?そんなに言いたくないのか?なんかヤバい理由だったら速攻で殴る。
「言えねー……。」
「は?!なんでよ。」
「んなもん照れんだろ!!」
照れる……?
「言わせんなバーカ...。」
そっか...コイツでも照れるんだ。
「ふふ...そうなんだ。」
「てめっ…なに笑ってんだよ!!」
「いや、なんか翔って可愛いと思って。」
なんでも意識せずに適当にこなしそうなのに、こういうところを見ると人間なんだなって思う。
犬だって思ってたから。
「……お前、アメとムチの使い分け方上手すぎ…...。」
「は、はっ?!」
