なにが……起こってるの……?
私なにして……。
唇に触れる温かな感触。そこから翔の体温がゆっくりと伝わってくる。
胸の鼓動は、聞こえてしまいそうなほど激しく高鳴っている。
馬鹿、最低、変体男。どの言葉も、いつもならサラッと言えるはず。
思い切り突き飛ばして罵声を浴びせてやりたいのに……。
何も出来ない。何もしたくない。
目を閉じようとした時。
「……っ!!ごごごごごめん!!!」
そう言って唇を離された。
「あっ……いや、別に...。」
今、残念って思ったな私。
「ごめん!!今のはさすがに!嫌だっだろ!」
「ちょっと?!やめてよ土下座なんて!!」
いくら言っても翔は頭を上げようとしない。
全く……。
最近の私はおかしい。
コイツに散々振り回された挙句、今みたいな事が起きたのに。
それなのになんで……。
「……嫌じゃ...なかった。」
「えっ?」
すごい勢いで顔を上げる翔。けどありえないくらい間抜け顔。
いや、ありえないのは私か。
「そそ、それって……!」
ヤバ...言い過ぎたかも。あんまり甘い事言うと……
「うわっ!!抱きつかないでよ!!」
「お前、今ので3%は俺の事好きになっただろ。」
「へっ?!」
うわ……自分が出したとは思えないくらいアホみたいな声。
でも確かに少し…ほんの少しだけど!
「に、2%だけね……。」
「お、デレたデレた♪」
