「────っ、レンくんっ!!」
思わず、レンくんを突き飛ばした。
い、今.............キス、された??
私の、ファーストキス.............。
「レンくんっ、最低っ!」
溢れそうになる涙を、ぐっと堪えてレンくんを睨み上げる。
レンくんは冷たい目でこちらを見下ろしていた。
見たことのない、レンくんの目...........。
悪いのは、レンくんだよ?
レンくんが.............
私を翻弄させるから。
「だいたいっ、レンくんのせいじゃんっ。レンくんがギュってしたりするからっ」
「.............」
高まった感情を押されきれずにどんどん言葉が溢れ出す。
もう、止めることができないよ───。
「可愛いとか言うからっ」
「え、可愛いとか間に受けちゃった?」
「え.............?」
無言だったレンくんが口を開いたと思ったら、予想もしない冷たい声が聞こえてきた。

