「お願いっ、レンくんッ」 「.............」 震える声で必死に呼び止めるとようやくレンくんは止まってくれた。 だけど、ドアノブに手をかけたまま、こちらは振り返らない。 もう、私の顔さえ見たくない? 私、そんなに怒らせちゃったんだ。 .............大嫌いなんて言ったから。 でもね、レンくん。 私っ、レンくんのこと嫌いじゃないの。 むしろ私、レンくんのことが──── 「レンくん、好き」