私は響くんに駆け寄り、その愛しい腕を掴まえる。



「響くん、おはよう♪」


「おはよう~」



「ねぇ響くん~さっきのおじさんって誰?知り合い?」



「うん……今、知り合いになった」



「……?意味わかんないし、何で?
あのおじさんさ、響くんに何回も頭下げてたの?」



「お金貸してあげたんだよ」



「?????」



「財布落としちゃって、家に帰れないって言うからさ、
2000円」




「……だって響くん、全然知らない人じゃん?」



「家でケーキ屋してんだって、で明日の夕方6時、コンビニ前で待ち合わせしたよ、ケーキ持ってお金返しに来るって」


「ケー番とか……何か連絡先聞いた?」



「聞いてない……でも、明日約束したし……」



響くん………それって……たぶん……騙されてるよ……。