鈴宮先輩が去った後も、背中を見つめる私。
礼「也」
也「…」
何にも聞こえない♪
今の私には鈴宮先輩だけよ~♪
礼「也?」
也「んふふっ」
也だって!也だってぇ♪呼び捨てで呼んで貰えたんだよぉ~!
礼「…あんまりシカトするとキスするよ?」
ん?キス?……えっ!!
也「はいっ!!何ですかっ!?」
礼「は、ははっ、そんなに嫌なんだ?キス」
也「だって兄妹だし」
そんな事しちゃ駄目。
ママや新しいパパが傷付くもんね!
それに好きでもない人となんか出来ないよ。
礼「…やっぱ…、也だもんね」
也だもんねって、何?
也「礼ってば、訳わかんなーい」
礼「也は…、いつまでも純粋で綺麗な也でいてよね?俺からのお願い」
純粋で綺麗?私が?
無理だなっ!私、邪悪で汚いし!
也「私は、礼が思ってるほど、良い人じゃないんだよ」
私は……。
綺麗でも何でもない。
私は汚い。
礼「也が良い人じゃないなら、この世に良い人はいないよ」
それは言い過ぎでしょ!
也「礼は…何も知らないんだもんね。」
私の事…、何も。
知ったら絶対嫌いになるよ。
そんな、自信があるの。
