桜色タイムカプセル

鏡の前に映る私は、椿の花が描いてある白色の浴衣に包まれ、頭には椿の髪飾り。



「お、お母さん?」


「これね、お父さんが初めてくれたものなのよ。しかも、初デートに」


お母さんは懐かしそうに、棚に置いてある写真を覗いた。


そこには、家族3人が写っている。


お父さんは、遠くに単身赴任中。


それも、5年前から。


いつ帰ってくるかも、わからない。


お父さんと繋がっているのは、月に1度くらいに送られてくる手紙のみ。


電話も、あまりできない。


「要するに、記念よ。さくらの初デートの」


お母さんはニコニコと笑って言った。