桜色タイムカプセル

お母さんは、私の手から帯を奪い取った。



私を透かして鏡を見るお母さんは、私を思う存分操った。



「あんた、勉強やら家事やら、そういうことは出来るのにね。浴衣が着れないなんて……」



お母さんはわかりやすく、大きなため息をついた。



「だ、だって、浴衣なんて、初めてなんだもん……」



「そんなことわかってるわよ。お母さんだって、昔はそうだもの」



お母さんは目を細めて、笑っていた。



でも、意外だった。



こんなに明るくて、美人で、優しいお母さんなのに、私と同じような人生を歩んでいたなんて。